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おもてなし

2016年11月9日水曜日

未分類

 71回目を迎えた母を祝うため、皆で食事に行った。

前々から「美味~い“ビフテキ”が食べたい。目の前で焼いてくれるところがいい」と聴いていた。

母の体は繊細で敏感、「体がすぐ反応するからよくわかる」らしく、味覚も鋭い。そのこだわりようは食材や調味に限らず、よく人を見ている。人相や醸し出される雰囲気などからその人柄を察し当て、先見の目を感じさせられることもしばしば。

店はそこで働く人々、オーナーの人柄や姿勢が自然と反映される。まぁ、それなりと思われるレストランをネットで見つけて予約、祝いの席へ適当な花束を見繕って用意くださるよう希望を添えた。

「後で後悔するといけないから、それなりのコースにして」と少々見栄っ張り?な母を受け流して。

その店は住宅街の一角にあり、瓦が乗る長い塀に囲まれた門構えの立派なお屋敷だった。車を寄せるやいなや、礼装姿の2~3人が颯爽と歩み寄り、タイミングを見計らってドアを開ける。

「お待ちしておりました」

趣のある庭木が植えられた中庭を足元の敷石に注意を払いながら案内され、玄関先では執事が「いらっしゃいませ」と軽い会釈でにこやかに出迎えてくれた。

屋敷内外に大正ロマンを感じさせる太い柱や梁に支えられた重厚な造りに、洒落た調度品の数々、モダンな生け花も和洋が巧く織りなされている。贅沢なサロンっぽい雰囲気。

個室に案内され、席についてあらためてその雰囲気に浸りながら、周囲を眺める。担当のシェフと給仕係がそれぞれご挨拶に見える。注文した飲み物が用意されて先ずは乾杯。それを見計らったように「今日このおめでたい日に。。♪」と給仕係から母へ、愛らしい桃色をした一輪の薔薇が贈られた。なんて、絶妙なタイミング。

普段使いではない分、少し畏まり気味にもなるかな。。よく喋る父は沈黙、ひたすら料理が出されるのを待ち、主役の母はシェフの柔らかな人柄に機嫌上々、調子よく饒舌だ。

給仕係の年季の入った給仕のタイミングもさることながら・・詩的な言葉を巧みに織り交ぜて思わぬ笑いを誘い、場を和ませる。テンポのいい、心にくい配慮がなされていた。

目の前で分厚いお肉をメインに、旬の食材が小気味よい手捌きにより調理され、粋な銘々皿に盛りつけられてゆく。全体的な量、質ともにほどよく、彩りや味わいもあり、普段、お肉をメインに戴くことのない私でもそこそこ美味しく戴けた。

食後。。「御写真をお撮りしましょう。ぜひ♪」との給仕の提案を受け、テラスへ案内される。「は~い、お父様もう少しお顔をお母様の方に寄せましょうか。そうそう、OK♪」などとすっかりのせられ・・一同、笑顔の記念撮影。

その後、明るい出窓越しに庭が眺められるサロンへ。デザートと飲み物を選び、運ばれてくるのを待つ間に父、母がそれぞれ手洗いに立った。

そのタイミングで給仕係がこちらへ歩み寄り、「お父様たちが戻られましたら、ちょっとしたサプライズ企画やっちゃいますから(ニヤリ)、そこで花束を(^_-)-☆」とひと声掛けると真顔で控えに戻っていった。“ここでね。。”ふふと思わず目を細める。

店側との事前相談はなく、用意されているであろう花束についても完全にお任せ、いつ?どんな?などの不安も全くなく・・ただあるのは絶妙に“導かれている”感。

主役が揃って。。リハーサルなしの演出家(給仕係)主導による本日のメインイベントが行われた。

かくして。。おめでた気分もほどよく盛り上げられて、気持ちもいっぱいお腹もいっぱいになり、まったりとした時間をお部屋の内外を眺めながらくつろいでいた。

普段よりちょっぴり贅沢に過ごすひと時も。。“あり”かな。とぼんやり思う。

蓋を開けて見れば・・少々大振り?な、大正ロマンの詰まったモダンでゴージャスな花束の進呈に「素敵な花束ね~♪超豪華じゃない?」ちょっと奮発し過ぎではと按じながらもまずまずの母、満足気な様子に“めでたい”と思わずにんまり。

選ばれた花材はいづれも質よく、ボリューム感がありつつも品よくアレンジされていて、これなら満足がゆきそう。さすがは。。うまくしたものよ。と感心す。

ご商売とは言え。。その“おもてなし”の心意気が随所に散りばめられた仕事、サービスの数々に触れる絶好の機会に惠まれておかげさまで。。晴れのお祝いに相応しき日に。 

母へ―――ありがとう。祝いの席を盛り上げるべくお働きくださった方々へ。そして、“おもてなし”の心へ。。感謝。



人類総幸福化を願って・・

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